イケてる SaaS を作りたい (koni blog)

SNS管理ツール「SocialDog」を運営する株式会社AutoScale代表 小西将史のブログです。イケてるSaaSを目指して日々奮闘しています。

【18,000字】SocialDog 7〜8期目の振り返り・9期目の展望

こんにちは。SocialDog代表の小西(@koni)です。

先月で、SocialDogを創業して早いもので8年が経ちました。

先週福岡でオフサイトミーティングの懇親会をしているときに「今日創立記念日らしいですよ」とメンバーから教えてもらい、8年経ったことに気づいたので、記事を書くことにしました(笑) 普段創業何年かなんて意識することないので忘れていました。

ここ数年は、夏頃に1年の振り返り投稿をするのが恒例になっていたのですが、昨年はTwitter APIの有料化などの対応もあり立て込んでいてうっかり書き忘れてしまっていました。

この2年で、 Twitter API突然の停止して高額課金が発生するのを乗り越えたり、フルタイムのメンバーが2倍にになったり、アカウント数100万突破ARR3億円突破を達成したりといろいろありました。

今回の記事では7・8期目(2022年4月〜2024年4月)にやったことの振り返りと、9期目の展望について書きます。

2年分まとめて書いたせいで、18,000文字の長文になってしまいました。下記の目次からご興味のあるところをお読みください。

プロダクトについて

値上げ(第5世代)(2022/8)

2年前の7期目の記事の展望でも書いていた通り、もともと個人向けツールだったSocialDogを企業のユーザーの方々にも安心してご利用いただけるツールに変えようとしてきました。

2020年に企業向けのプラン(Businessプラン)を月額9,800円(年額払いの場合)でリリースしましたが、2年弱運用してみて、この金額だと、獲得コスト(CPA)・料金(LTV)・提供できる価値のバランスが悪いことがわかってきたため、値上げを実施し、第5世代*1のプランをリリースしました。

同時に、消費税の扱いで若干課題があることがわかったので改善しました。

  • Businessプランのみ約1.5〜2倍に値上げ
  • プランの数(無料プラン+有料プランx3)・プラン名・各プランで使える機能は変更なし
  • 金額を内税から外税にする
    • 創業時は消費税は免税だったので価格設定にあまり消費税の扱いを気にしていなかったのですが、B向けのツールは消費税は外税で設定されていることがほとんどだったので、このタイミングで外税に変更しました。次にBtoB SaaSで起業することがあれば最初から外税で設定すると思います。
    • 海外の売上については国外取引となるため、本来は消費税が発生しないのですが、海外顧客と国内顧客を厳密に分けていなかったため、顧客には消費税を請求しないが自社は消費税を納税する、という無駄が発生していました。このタイミングで海外と国内、消費税の有無を分けるように変え、この問題を解消しました。
  • 旧プランのユーザーは影響なし
    • これまで使っているみなさんに安心して利用いただくため
    • 社内でも移行について余計なコスト(開発とサポートのコスト)を発生させないため
    • (値上げによるChurnの程度が読めず、一気に値上げというのは踏み切りにくかった、というのもあります)

この値上げは旧プランのユーザーには影響のない形で実施したため、特にChurnが増えることもなく、円滑に終わりました。

100万アカウント突破(2022/10)

ついにSocialDogの登録アカウント数が100万を突破しました🎉

映画『ソーシャル・ネットワーク』で、Facebookのアカウント数が100万を突破するシーンをオフィスで祝うシーンがあるのですが、これに憧れがあったので、バーチャルオフィス(Gather)でメンバーが作ってくれたカウントダウン画面を見ながらお祝いしました。

お祝いのタイミングが深夜0時くらいになってしまったのですが、多くのメンバーが見守りました。深夜3時とかじゃなくてよかったw この手のお祝いは平日日中が良いですが、コントロールできないですからね...

ちなみにアカウント数はその後も伸び続けていて、2024年7月現在では130万を超えています。

100万ユーザー突破をGatherのバーチャルオフィスで喜ぶSocialDogメンバー

100万達成の瞬間

ARR 3億円突破(2022/10)

Xでは特に投稿しませんでしたが、たまたま100万突破のタイミングでARR3億円を超えていました。

社内ではMRR(ARR/12)で各種数字を追っていますし、3億円を超えたから何かがあるわけではないのですが、やはり嬉しいことなのでお祝いしました。

市場調査でユーザー数No.1に(2023/2)

サービスサイトに「ユーザー数No.1」と表記するために*2、第三者の調査会社に定期的に依頼してユーザー数がNo.1かどうか調査してもらっており、このときの調査でも無事にNo.1を獲得できました。

そもそも国産のSNS管理ツールだと我々のようにPLGモデルで企業も使えるのに安価なツールを出している、いわば「薄利多売」の会社がいないので「No.1」取得は当然とも言え、ユーザー数No.1だからこのカテゴリーではもう安泰とかいうことでは全くないです!

ICCスタートアップカタパルトで登壇(2023/2)

スタートアップ向けのピッチイベントに出たことがなかったのですが、認知拡大のためにもICCの「スタートアップカタパルト」に出場しました。

残念ながら入賞は叶いませんでしたが、たくさんの人にプロダクトを知ってもらう貴重な機会となりました。

またICC自体がイベントとして魅力的でスタートアップやVCなどの代表の方の方と直接お話する機会があり、非常に刺激的でした。

発表内容はICCのサイトで記事化されているので、興味があればご覧ください。

industry-co-creation.com

CSチーム立ち上げ(2023/4)

これまでもSocialDogではメールでの問い合わせに対応するメンバーはいたのですが、これはあくまでも返信が気たら質問に答える受け身的な対応(テクニカルサポート)で、いわゆるSaaSのカスタマーサクセス(顧客の成功に伴走する)の体制はできていませんでした

企業向けのプロダクトをSaaSとして提供していく上で、カスタマーサクセスの体制の整備は大きな課題だと思っていたので、2名の方にジョインいただき、カスタマーサクセスのチームを立ち上げました。

CRMツールとしてHubSpotを導入したり、顧客とオンラインで打ち合わせする体制が立ち上がりました。

4月1日に2名のメンバーが入社してから3日後にAPIが停止するなど、CSチームは波乱の幕開けになりましたが、なんとか乗り越えました。

Twitter API が突然停止(2023/4〜5)

2022年10月にTwitterがイーロン・マスクに買収され、Twitter APIが有料化されることになりました。

2023年4月4日、突然SocialDogで利用しているTwitter APIがエラーになり、Twitterからのデータ取得や投稿などがすべて利用できなくなりました。

SocialDogだけでなく他社のツールも広く影響があり、ネットニュースの記事にもなったりしました。

SocialDogはこのときTwitterにしか対応しておらず、APIがなければ何もできないツールなので、創業以来最大の難局でした。

SocialDogも含めたSNS管理ツールは、世の中からもSNSプラットフォームにとっても良い存在だから、必ず存続できるはずと思って、この難局を乗り越えようと思いました。

その後、SocialDogからのAPIアクセスは2日後の4/6には復旧し、ホッとしました。

この件の経緯については、Twitterで逐一投稿しているので、よければ上記の投稿のツリーをご覧ください。

www.itmedia.co.jp

whotwiのサービス終了(2023/4)

私が大学4年のときに作った「グラフィカルTwitter分析 whotwi(フーツイ)」というWebサービスも、同様にTwitter APIが停止したため、完全に動かなくなり、こちらはそのままサービス終了としました。

2023年4月にはwhotwiだけでなく、多くの個人開発のWebサービスが終了したことはとても残念です。

whotwiは2011年にリリース後、2016年のリニューアルを経て12年間に渡って運営しましたが、その間に1.5億UU、9.1億PVのアクセスがありました。実は9か国語対応していて、アクセスの75%は海外からというグローバルなサービスでした。

Twitter Enterprise API の契約締結(2023/6)

Twitter API停止の影響は、SocialDogにとってプロダクトがほぼ動かなくなる致命的なものであり、Enterprise APIの契約は不可避でした。

Enterprise APIは価格はこの時点でリークされており、月間4.2万ドル(当時約550万円)とSocialDogにとって非常に高額でした(当時の売上の約2割相当)が、迷う余地はありませんでした。

すぐにEnterprise Packageに契約について連絡しましたが、2週間返信がこなかったり*3、英文でメールしても質問に答えてもらえないことがあったりして、結局契約締結まで2か月かかりました。

中でも大変だったのが、Twitter社との交渉の中で、APIのリクエスト数を99.9%削減することを要求されたことでした。APIリクエストを減らすことは、ユーザーからの投稿数や、データ取得の量や頻度の削減に直結します。しかも、要求された削減幅は99.9%です。

APIリクエストを減らすために、サービスレベルを落とさざるを得ませんでした。

SocialDogは創業以来フリーミアム戦略(無料で使ってもらい、良いと思った方に有料で機能を提供する戦略)で成長していましたが、この無料プランも事実上廃止せざるを得なくなり、急遽無料プランの廃止のメールを送りました。

有料プランの機能についても、それまでのサービスレベルの維持は難しく、開発チームで何度も話し合い、少しでもユーザーに影響がない形を模索しました。

こういった努力もあり、なんとか99.9%のAPIリクエスト数削減を達成でき、無事に契約締結に至りました。

その後も突然のAPIの廃止や変更がありましたが、これ以上の大きなトラブルはなく安定して運用しています。

EU・アメリカでも商標登録完了(2023/8)

海外展開に向けて、SocialDog®の商標登録が完了しました。数年かかりました。

Instagram・Facebookに対応(2023/9)

Twitter APIの障害の件もあり、Twitterのみの機能を提供することのリスクが非常に高いと認識し、障害以降InstagramとFacebookの対応を急ぎ、ついにInstagram、Facebookの機能の提供をスタートしました🎉

特にInstagramの機能はまだ改善の余地が多いにあるので、引き続き注力して開発していく方針です。

値上げ(第6世代)(2023/11)

これまでの料金プラン(第5世代)にはTwitter APIの高額な費用が織り込まれていなかったため、Twitter API有料化以降に収支のバランスが悪くなっており、値上げの必要性が高まっていました。

また、Instagram、Facebookの対応がリリースされたことで、複数のSNSアカウントを管理しやすい料金体系に移行する必要が生じていました。

そこで新しいプランをリリースしました。

  • 価格を1.5倍程度に値上げ
  • 4つ目の有料プラン「Enterpriseプラン」を新設
    • 運用代行をされている企業などたくさんのアカウントを運用されている企業向けにアカウント数をカスタマイズできるプランとしてリリースしました。
  • 管理できるSNSアカウント数を増やす
    • 価値の増えない値上げはしたくなかったので、InstagramやFacebookの対応をリリースしてから、それらのSNSと同時に使いやすい料金体系に変更
  • 全アカウントを対象にプラン移行を実施
    • コスト構造の変化を価格に転嫁する必要があったので、第1〜5世代のプランをご利用中のユーザーも第6世代の新プランに自動移行する対応を行いました。全ユーザー対象の移行は初めてだったので、アンケート調査によるPSM分析を行うなど、慎重に実施しました。
  • 自動移行を伴う値上げは初めてだったので、値上げについてはSNSを通じて丁寧な説明を試みました。ありがたいことに概ね好意的に受け入れていただいたように感じます。
    • 一連の投稿をどなたかがTogetterにまとめてくれたり、Yahoo!ニュースにも載ったりしました。

togetter.com

SocialDogの9期目の展望

もうあと半年ですが、9期目(2025年3月期)は下記に重点的に取り組みます。

SocialDogが複数のSNSを管理できるSNS管理ツールとして成長していくためには、シェアが多いInstagramの管理が円滑にできることが非常に重要です。プラットフォームリスクの低減も進めるため、今期もInstagramのツールとしての成長に注力します。

SocialDogはPLG戦略を取っていたこともあって、個人〜SMB向けの機能は充実していましたが、もう少し規模の大きい企業のみなさんにも安心して使っていただけるように、機能やサポート体制の拡充を図っていきます。これまでPLG戦略としてプロダクト開発に集中する戦略として、商談などのセールスは一切行っていなかったのですが、前期から引き続き体制を作っています。

SocialDogが中長期的に目指すこと

ミッションである「あらゆる人がSNSを活用できる世界を創る」を実現していくため、「SNS管理ツールと言えばSocialDog」と第一想起されるような王道・定番のツールを目指します。

下記のような世界を目指しています:

  • SocialDogを入れておけば、SNSに関連するタスクがすべて完了する
    • SNS上での自社からの投稿、自社や業界への投稿を収集・分析できるオールインワンなツール
  • インターネット上での「投稿」「コミニュケーション」ができるものはすべてSNSであり、それらに対応していく
    • 現在対応しているX、Instagram、Facebookに加えて、動画系(YouTube、TikTokなど)、レビューサイトにも対応していきたい
    • 上述したプラットフォームリスク(X依存)を低減させることにもなります。
  • テクノロジーの力で、人が人にしかできないことに注力すれば最大の結果を出せる
    • AIの活用により、投稿内容の作成、最適化、炎上リスク検知、分析などを自動化

今後の戦略やビジネスモデルについて詳しくは、下記の会社紹介資料や採用サイトをご覧ください。

docs.google.com

portal.socialdog.jp

働き方・社内制度

「入ってよかった」と思える会社を目指して

SocialDogのメンバーにとっても、ユーザーにとっても、社会にとってもSocialDogが良い存在(=幸福を増やす存在)でありたいと思って、これまで会社運営をしてきました。

売上や利益を増やすことも大事ですが、まず働く人の幸せを実現していくことが非常に重要、むしろそっちのほうが大切*4であると思っているので、「働きやすい会社を作りたい」「入ってよかったと思えるような会社にしたい」と本気で思っています。

このためには制度づくりやカルチャーづくりが欠かせません。「働きやすい」を実現するために、(この規模の会社にしては)工夫して制度を整備していきました。

まず、2年前の同様の記事で「やっていく」と書いた施策はすべて実現しました:

  • フレックスタイム制度のコアタイムの廃止(フルフレックス化)
  • 「副業OK」ルールの制定
    • 私も前職で副業をしていましたが、特にエンジニアの副業はメリットも多いと思っており、副業は創業以来OKだったのですが、明文化されていなかったので「副業OKルール」としてルール化しました。
  • Level Upサポートで動画コンテンツなど経費対象となる範囲を拡大
  • 人事制度の整備(後述)
  • オフィスに出社もできるようにする(後述)

Moku Moku day(2022/6)

ちょっとずつメンバーが増えて、人によっては面接やミーティングが増えてきました。 自分も含めて、ミーティングがあることで、その前後の時間の生産性が下がっていそうだと気づきました。

生産性を高めていくために、仕事中に他のことに邪魔されず、集中力が極限まで高まった「ゾーン状態」に入っている時間をできるだけ多くすることが大事だと思っています。

そこで、週2日間(火曜日と木曜日)ミーティングを設けない日「集中Day」(現在は「Moku Moku Day」という名前に改称しました)を1か月の試験導入を経て導入しました。

実際運用してみて、週に2回集中して作業できる日があることで、「重要だが緊急度が低いタスク」にちゃんと向き合えてかなり良かったです。 特にゾーンに入ることが重要なエンジニアからも好評でした。

シェアオフィス「A YOTSUYA」にオフィス開設(2022/11)

2020年からフルリモートでやっていましたが、「やっぱりたまには会いたいよね」ということで、週1日(金曜日)だけ借りられる「WEEK」というサービスを利用して、四ツ谷のシェアオフィス「A YOTSUYA」にオフィスを開設しました。

それまでフルリモートで、どれくらいオフィスに来る人がいるかわからなかったので、週1日だけ借りられるのはとても魅力的でした。

オフィス開設後も、出社は完全に任意で、「行きたい人だけ行く」というルールにしました。

その結果、よくオフィスに来る人が7-8人くらいいて、そのうち5-6人くらいが来るというちょうどいい感じになりました。

育児と仕事の両立をしやすい制度の導入&育児との両立にウェルカムであることを発信(2023/2)

自分も2022年に子供ができて、働きやすさを上げていくうえで大きな課題となるのが、育児と仕事の両立というテーマだと感じました。育児と仕事を両立して働きやすくして、個人の幸福を実現していくためのさまざまな課題を制度を検討し、次のことを実施しました。

  • 「育児と仕事の両立しやすい会社にしたいこと・育休取得にwelcomeであること」を社内告知&情報ポータルでも公開
  • 病児看護サポート休暇(年間10日)
    • 子供が病気のときに特別休暇を付与
  • Welcome Baby休暇(5日間)
    • 子ども誕生時の特別休暇
  • 短時間正社員
    • これまでも就業規則上はあったのですが、アピールしていなかったので、情報ポータルに載せるなどしてアピールするようにしました

この施策後、育休取得が複数取得されたり、病児看護サポート休暇は実際に利用されたり、効果が出てきていそうです。

このあたりは正直まだまだなのですが、もっと会社の体力をつけて拡大していきたいと思っています。

人事制度の導入(2023年4月)

「何が評価されるのか」「どのように報酬は決まるのか」「自分はどのように評価されているのか」を明確にすることで、より大きな成果を出せるようにしたり、わかりやすく納得感のある評価・報酬設定にしたりするために、人事制度(評価制度、等級制度、報酬制度)を整え、会社の情報ポータルで公開しました。

2023年4月から約1年半運用しており、下記のようなポジティブな変化がありました。

  • 社内からの声
    • 「何が評価されるかわかったので、これまでより働きやすくなった」
    • 「個人ごとに目標が設定されたので、何に取り組めばいいか明確になった」
  • 採用候補者の方から声
    • 「事前に制度がわかって嬉しい」
    • 「給与レンジが効果されているのでオファー前に金額をイメージしやすい」

この人事制度を使って、高い生産性で成果にみあった報酬がもらえる会社を目指したいと思っており、積極的に昇給を行っています。前回の4月の昇給では73%の人が昇給となりました。

こういった取り組みで平均年収も年々上がっています。

オフサイトミーティングを初めて泊まり&東京以外で開催(2024/1)

2020年にフルリモートに移行してから、オフラインでしかできないコミュニケーションをするためにオフサイトミーティングを半年おきに東京のレンタルスペースなどを借りてで丸1日実施してきました。フルリモートとはいえ半分くらいのメンバーは関東在住なので東京で開催してきました。

オフサイトミーティングの目的を「普段とは違った環境で、普段できない話をする」というものにしたいことを考えると、関東在住のメンバーにとって「東京開催だとあまり非日常感がない」という声がありました。

そこで、非日常感をより作り出す(特別な日にする)ため、全員宿泊(出張)とし、東京以外での開催(2024年1月は京都、2024年7月は福岡)で開催に変更してみました。

この結果、課題だった「普段と違った環境」「非日常感」が実現でき、メンバーからも非常に好評でした。

東京開催の場合、終了後の飲み会のときに、関東在住の人は終電を気にする必要があるという問題が、全員が宿泊となるので終電を気にする必要がないので解決しました。

遠方での開催の場合、準備や出張としなければならないため、家族への負担もあるので、毎回東京以外にするかは未定ですが、今後も東京以外での開催をしていきたいと思っています。

www.wantedly.com

www.wantedly.com

タスク管理とドキュメント管理のツールをConfluence + JiraからNotionに移行(2024/1)

2020年からタスク管理はJira、ドキュメント管理にはConfluenceを使ってきました。

前職のエウレカに在職中にその構成でズムーズだったのでこの構成を使ってきましたが、以下のような課題が気になっていました。

  • Confluence
    • 複数人同時編集の際、日本語の変換の際の不具合の多さ
    • テンプレートを管理者しか作れない(全員を管理者にするか、テンプレートを作るのは諦めるか)
  • Jira
    • インラインコメントが付けられないので、議論の際の引用が大変
    • 設定がとても複雑でプロパティを気軽に増やせない*5

移行には大きなコストが掛かることもあり、しばらくそのままになっていましたが、熱烈なNotionファンであるあっきー(@na0x2c6)が入社し、Notion移行を強力に主張してくれたので、移行を決めました。

現在移行して約半年経ちますが、やはり移行してよかったと思います。Confluenceを使っていた感じていた課題はすべてキレイに解消され、DBやプロパティをメンバーが自由に作ったり編集できるようになり、情報が以前よりも整理整頓されたりしました

NotionはConfluenceと違って編集モードと閲覧モードという概念がなく、常に編集できるので、編集へのハードルが下がって、情報発信・蓄積量が増えたようにも感じます

コメントの使い方についてはConfluenceとは異なる部分が多かったので新たにルールを追加するなど、まだ運用の改善は続いています。

WeWork麹町にオフィス移転(2024/10)

A YOTSUYAは気に入っていたのですが、2024年10月に閉鎖されることになってしまったので、2024年10月から、WeWork麹町に移転することにしました。

WeWorkの拠点を6箇所内見しましたが、拠点(街)の雰囲気、交通アクセス、部屋の空き状況とコストなどが判断して、四ツ谷駅徒歩1分の麹町拠点にすることにしました。

虎ノ門駅付近の3拠点も内見させてもらいましたが、街を歩く人がネックストラップを付けたオフィスワーカーっぽい人の比率が高く、いかにもビジネス街という感じなのに対して、四ツ谷は大学や塾があったりするので、学生や子連れの人などオフィスワーカーではない人たちも一定いて、街にいる人の多様性が高いように感じ、私が求めている雰囲気には近いと思い、麹町の拠点にしました。

wework.co.jp

採用

いい組織を作る上で採用は非常に重要だと思っているので、さまざまな取り組みを行い、入社人数を少しずつ増やしています。

7-8期目の採用について

メンバー数は35名(うちフルタイムメンバー25名)まで増えました。

Wantedly、Findy、ビズリーチ、転職ドラフトなどを活用して採用活動を進めており、おかげさまで相性のいいメンバーにジョインしてもらえています。

▼メンバー数の推移

-- メンバー数 うちフルタイム うちインターン
2017/4 3 2 1
2018/4 7 3 3
2019/4 10 2 4
2020/4 17 6 4
2021/4 23 11 2
2022/4 28 14 7
2023/4 34 19 1
2024/4 35 23 0

※合計が合わないのは業務委託・副業の方がいるため

フルタイムのメンバーは2年で約2倍に増えたことになります。この2年で、CSチームを立ち上げたり、開発チームを3チーム制にしたりと、人数にあわせて組織もちょっとずつ変えてきました。

インターンの採用終了(2022年春頃)

インターンの採用を積極的に行ってきましたが、2022年頃からはフルタイムのメンバーが増えてインターンと協働するのが難しくなってきたことから、採用を終了しました。2024年までにインターンが入社するか外部の会社に就職するなどして0になりました。

フルタイムのメンバーが数人のうちは文字通り開発の主力としてかなり力になってもらっていましたが、フルタイムのメンバーが増えてくると就業のタイミングの違いなどから生産性を上げていくのが難しくなることもあり、徐々に減らしていました。

ちなみに今もインターンから入社して活躍しているメンバーが5名います。Devチームのマネージャーとして開発チームをまとめたり、デザイナーとしてプロダクト全体のデザインを担当したりと、活躍してくれています。

リファレンスチェックサービス「HERP Trust」の導入(2022/7)

中途で入社した方と他のメンバーの間でトラブルが起きた際、原因が採用時にその人の性質を見抜けていなかったことを痛感し、面接では見えないその人の特性を知るために、リファレンスチェックのサービス「HERP Trust(旧parame)」を導入しました。

面接だけではわからない、元同僚・上司・部下の方の生のコメントがもらえるので、採用のミスマッチが明らかに減らせている感じがあります

SocialDogでは最終面接のあとにリファレンスチェックを実施しており、通過率は95%くらいとなるので、リファレンスチェックで見送りとなることは稀です。

最近は面接で話を聞くと、「リファレンスを求められる会社も結構ある」と聞きますので、導入が増えているのではないでしょうか。

コーディングテストサービス「Hireroo」の導入(2023/8)

エンジニアの採用を強化するにあたり、開発スキルをしっかり把握して、適切な条件提示を行うためにコーディングテストサービスの「HireRoo」を導入しました。

それまでも面接中に課題を出して口頭試問のような形で技術力を測る質問をしていましたが、これは面接担当者側にも見極めのスキルが求められ、面接担当者によってバラツキが生まれてしまったり、見極めの精度が低い場合があったりしました。

現在はすべての候補者の方に同一の課題をお出ししているので、横並びで評価することができ、以前よりも定量的・客観的な見極めが行えるようになりました

財務・バックオフィス

月次決算体制の構築(自計化)(2022/10)

それまでExcelでの費用と売上を見ながら費用をコントロールしつつ、年1回まとめて税理士さんのところに領収書を送って記帳代行してもらい、決算書を作ってもらうという方法で経理を行っていたのですが、この方法だと正確な費用や利益の金額をタイムリーに確認できないという問題がありました。

そこで、自社で記帳して(自計化)、毎月試算表を作る(月次決算)という運用を開始しました。

UPSIDER+freee会計+freee人事労務でほぼ自動的に記帳される体制ができ、freee会計を開けばいつでも最新の試算表が見られるようになりました。

初の銀行融資による資金調達(7,000万円)(2023/12)

2023年6月頃から高額なAPI費用*6発生することになり、それ以前の想定よりも費用がかかることになってしまったので、経営をより安定させるために創業以来初めて7,000万円の銀行融資を受けました。

これまでの借り入れ0、前期以前もずっと黒字だったこともあり、順調に融資を受けられました。

7期連続増収&黒字達成(2024/3)

8期目はかなりギリギリではありましたが、黒字に着地することができ、上述の値上げも奏功して増収、黒字で着地しました。

クラウド郵便サービス「atena」導入(2023/9)

紙の郵便物は、下記のようなフローで処理していたのですが、本来の業務でもないし、紙の書類を郵送して保管するという書類が発生する業務で、月に30分くらいで終わる作業なので、誰かにもお願いしにくい業務でした。

  1. 開封して必要そうなものをスキャンし、
  2. 必要な対応(ファイリング or 宛名を貼って郵送 or その他後処理)

これがクラウド郵便「atena」というサービスを導入したことで、郵便物にまつわる仕事のファイリング以外の部分は完全に自動化できました。

代表の役割の変化

2016年に創業時はメンバーも自分ひとりでしたし、それから数年は数名という体制が続いていたので、「基本全部の仕事が自分」という感じでした。

30名以上のメンバーがジョインしてくれた今、自分の役割を規模にあったものにアップデートしていかなければならないと強く感じています

具体的には、権限委譲を進め、自己組織化したチームを作っていくことが重要な課題だと思っています。

これはエンジニア出身社長あるあるだと思うんですが、プロダクト作り・開発が大好き分、プロダクトの細かいところにもついつい口をだしてしまうことも多いのですが、自重していこうと思います。

ミッションの実現や事業拡大のために、自分ももっと成長して、自分の役割も変えていこうと思います。

▼デリゲーションポーカーをして権限を整理したりして試行錯誤しています。

仲間を探しています!

上記にも書いた通り、「SNS管理ツール」というカテゴリーで国内で圧倒的No.1となり、日本発で世界中で使われるようなSaaSを目指し、SocialDogには課題が山積しています。

それらの課題を解消し、「あらゆる人がSNSを活用できる世界を創る」を実現するためには、一緒にこれに挑戦する仲間が必要です。

少しでもご興味を持っていただけましたら、ご都合のよい方法で、お気軽にご連絡いただけますと幸いです!

X(Twitter) DM / Facebook / HERP / Wantedly

おわりに

2016年の創業から8年が経ち、社内の体制も整い、事業の売上・ユーザー数も伸びてきました。

「SNS管理ツール」というカテゴリーで国内で圧倒的No.1となり、日本発で世界中で使われるようなSaaSを目してがんばっていきますので、9期目もよろしくお願いします!

関連記事

▼6期目の振り返り(2022年)

koni.hateblo.jp

▼5期目の振り返り(2021年)

koni.hateblo.jp

▼1〜4期目の振り返り(2020年)

koni.hateblo.jp

*1:サービスリリース以来いくつかのプラン体系があり、区別するために社内では「第◯世代」と呼んでおり、この料金体系は第5世代にあたるものでした。

*2:より正確に言うと、Yahoo!広告で、No.1表記をする場合は第三者調査が必要というルールに準拠するため

*3:連絡に時間がかかっていたのは、前年の8割近い社員がレイオフされており、単純に人が足りていなかったのではないかと思っており、担当者レベルでは仕方のないことだったのではと思い、担当者に同情する部分もあります。

*4:売上や利益がないと働きやすい会社は実現しないので、バランスを取る必要はある

*5:企業管理プロジェクトを使っていたせいもあります。

*6:Twitter Enterprise APIの費用が毎月600万円程度