こんにちは、株式会社AutoScaleという会社の代表をしている@koniこと小西です。
AutoScaleは、2021年3月31日で無事に5期目が終わりました。2016年7月25日に創業してから早いものでもう5年弱が経ちました。
AutoScaleでは創業以来、おかげさまでピボットすることなく自社サービス「SNS管理ツールSocialDog」の運営をメインに行っています。
創業したときは5期目まで続いていることが想像もできなかったですが、サービスを使ってくださる60万人のお客様と、メンバーのみんなのおかげでここまで来ることができました。
決算も終わった*1ので、今回は5期目を振り返ってみようと思います。
- SocialDog ユーザー数50万突破
- ひたすらSocialDogの改善・改善・改善
- フルタイムのメンバー数が約3倍に
- スケールする開発体制へ
- 福利厚生の充実
- 6期目に向けて
- 採用を行っています!
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SocialDog ユーザー数50万突破
2020年12月にSocialDog「ユーザー数50万」を突破しました🎉
2019年頃からリスティング広告、アフィリエイト広告などのマーケティング施策を行った効果もあり、ユーザー数は順調に伸びています。
このおかげで4期連続黒字を達成しました🎉
国内ユーザー数No.1達成
2020年12月にユーザー数が50万を突破し、いよいよ「国産SNS管理ツール」ではユーザー数が1位といえそうな状況になってきました。
ただLPや広告で「ユーザー数No.1」のような「No.1表示」をしたLPを広告出稿するためには、第三者機関による調査が必要になるとのこと。
7. 最上級表示、No.1 表示【第3章3.関連】 - ヘルプ - Yahoo!広告
そこで、2020年2月に「No.1」であることを示すための調査を調査会社に依頼して実施しました。このような目的の調査は「No.1調査」と呼ばれており、日本だと5-10社くらいが実施しているようです。いろんなビジネスがあるんですね。
この調査が無事に終わって、晴れてSocialDog が国産SNS管理ツール ユーザー数 No.1であることがわかったので、以下のようなお知らせを出しました。やっぱりNo.1は嬉しい!
ちなみに、SocialDogはフリーミアムなのでユーザー数が増えやすい、というのもありますが、有料プランにしぼったユーザー数でもNo.1を獲得することができました🎉
実際、「SocialDog」の口コミツイートも増え、Twitter アカウント運用を担当されている方のSocialDogの認知度はこの1年でかなり上がってきたように思います。
「知り合いが使っている」「うちでも使っているよ」などのように声をかけていただくことも増えていて、嬉しい限りです。やっぱり作ったものが多くの方に使われているというのが一番嬉しいです。
ひたすらSocialDogの改善・改善・改善
SocialDogは、Product-led Growth(PLG)でのグロースを志向しています。PLGは、Sales-led Growth と対になる概念で、ざっくりいうと、セールスではなく「プロダクトがプロダクトを売る」というモデルです。
PLGでは、とにかくプロダクトの改善が重要と言われます。セルフサーブ(営業マンなし)でプロダクトに課金いただくためには、やはり「プロダクトの使い勝手」の重要度が非常に高いと思います。
SocialDogのアップデート情報のページに載っているものは一部で、他にも細かいチューニングを多数行っています。
参考: 【解説】SaaSの新戦略。Product-Led Growthの全貌 | 高野泰樹 | UB Ventures
使いにくい点などがありましたら、ぜひお気軽にカスタマーサポートか、Twitterでツイートしていただければと思います。
デザインリニューアル
実は去年からひっそりとデザインリニューアルも行っています。 SocialDogはもともと副業のデザイナーに依頼して作っていたこともあり、全画面のデザインをデザイナーが作成したわけではありませんでした。 デザインがない画面は、デザイナーが作った画面の雰囲気をまねて、エンジニアがそれっぽく作っていたのですが、そういった画面はオリジナルのデザインと比べると、実装でデザインが劣化していました。 こういった画面をまとめてリニューアルしてきれいにしました。
こうした取り組みもあり、徐々に「SocialDog使いやすい」「SocialDog神ツール」といったTwitterでの口コミも増えており、手応えを感じています。
ちなみに口コミツイートはSocialDogの「キーワードモニター」という機能でSlackに通知するようにして、すべてチェックしています! この機能は3キーワードまで無料でも使えるので、プロダクト開発されている方はぜひご活用ください。
SaaS運営会社のみなさま、Slackに自社サービスへの口コミツイートを流すのオススメです。
— koni | SocialDog🐶 (@koni) 2020年11月12日
バグ、要望、苦情などを漏れなく高速にピックアップできます🎉 pic.twitter.com/1E7q3QKLb4
ちなみにデザインリニューアルでは、ReactのClass ComponentからFunctional Componentにする作業も同時に行い、コードの技術的負債化の軽減を図っています。 この1年でClass Componentもかなり減りました。
デザインリニューアルは最後に残った「ツイート機能」の新バージョンがリリースされれば完成です。
企業向けプランのリリース
SaaS事業の運営上、以下の式が非常に重要です。
MRR = ARPPU(平均月間課金単価) * Paid Customers(有料顧客数)
MRRについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
Paid Customersについてはマーケティング施策で上げていくことが可能ですが、ARPPUについては価格設定によるところが大きいです。
これまでSocialDogは、個人〜中小企業のお客様向けの機能が多く、月額980円/4,980円のプランだけだったのですが、ARPPUを上げるべく、ここに企業向けの月額12,800円のプランを投入しました。
少しずつ企業のお客様も増え、順調にARPPUも上がってきています。今後も企業向けの機能も強化していきます。
フルタイムのメンバー数が約3倍に
2020年3月には4名だったフルタイムのメンバーが、2021年4月には11名まで増えました。
エンジニアが5名増えたほか、はじめてフルタイムのエンジニア以外の職種(カスタマーサクセス、マーケティング)のメンバーも増えました。 今後はプロダクト開発を加速することはもちろん、カスタマーサクセス、マーケティングも強化していきます。
これまでタスク管理ツールとしてGitHubのissueを使っていましたが、非エンジニア職のメンバーにとってGitHubは最適なツールとは言えないので、エンジニアも含めて全員のタスク管理ツールをJiraに移行しました。
▼メンバー数の推移(インターンが減り、フルタイムのメンバーが増えました)
タイミング | メンバー数 | うちフルタイム | うちインターン |
---|---|---|---|
2017/4 | 3 | 2 | 1 |
2018/4 | 7 | 3 | 3 |
2019/4 | 10 | 2 | 4 |
2020/4 | 17 | 6 | 4 |
2021/4 | 23 | 11 | 2 |
初の新卒採用
昨年4月、それまで大学生インターンとして開発してくれていたメンバー2名がAutoScaleに入ってくれました。今年も2名に入社してもらうことができました。
AutoScale でインターンしながら就職活動をして、うちと他の企業を比較して選んでくれたということがとても嬉しいです。
インターンからの新卒採用は主に以下の点でメリットがあると感じます。
- 新卒採用よりもインターン採用のほうが優秀な学生に接触しやすい
- インターンをしているのでAutoScaleのカルチャーが深く理解できていて「入社後のギャップがなさそう」と思ってもらえる
- 安心して高めの給与を提示できる
今後もインターンからの新卒採用を行っていく予定です。ご興味のある方は、ぜひWantedlyからお気軽にご連絡ください。
スケールする開発体制へ
開発からの卒業
僕はもともと開発が大好きなので、今でもコードを書いている時間が大好きです。 しかし会社の成長を考えたとき、僕がコードを書くことが最善ではないことと感じることが増えました。
Web開発チーム(サーバーサイド開発とインフラ)は、2019年の6月には自分とインターン5名だけだったのですが、2021年4月現在でフルタイム社員7名とインターン2名の体制になりました。
去年までは、とにかく開発リソースが不足していたので、自分もがっつり開発に入って、コードレビューもしっかりやって、時間の8割くらいを開発、コードレビュー、リリース作業、インフラに充てていました。
リリース作業など「自分しかできない」業務が非常に多く、自分に属人化している状況でした。 この体制は人数が少ないうちは良かったのですが、人数が増えてくると仕様の確認やコードレビューの待ちなどで自分がボトルネックになってしまいがちでした。 その結果、なんとかリリースはできていましたが、今後の戦略を考える時間があまり取れず、「重要だが緊急ではない」タスクが後回しになりがちでした。
ただ当初はメンバーも少ないスタートアップだったのでそれが最適だったと思います。
開発チームのスケールのために行ったこと
そこで、2020年から「開発から抜ける」というのを目標にし、開発における自分の役割を減らして、仕様策定・設計・戦略策定に多くの時間を割くようにしました。
具体的には半年くらいかけて以下をじっくり行いました。
- リリース前に「テスト会」を実施するようにした
- リリース・インフラ作業のマニュアル化
- リリース作業・インフラ担当者をおく
- タスク管理はGitHubからJiraに移行し、優先度管理・リリース管理を強化
- コードレビューを全員で行う体制へ移行。レビュアーを2人にした
- probot で自動的にレビュアーをピックアップして選定する仕組みを作った
- CIの強化(PHPUnit, jestによる単体テスト、CypressによるUIテスト、textlint、phpmd、phpcs, eslintなどのツール利用の強化)
属人化が解消され、かなり分業化・仕組み化できました。
ただここについてはまだ不十分な点が多数あるので、もっと改善していきたいと思っています。
福利厚生の充実
AutoScaleでは、以前より「残業ほぼなし」「最新パソコン貸与」など働きやすい環境整備を進めていますが、 「ベンチャーって福利厚生ダメだよね」という印象を払拭するべく、より働きやすい会社にするため、福利厚生を強化しました。
- Cool SaaS手当(10,000円/月を支給。イケてるSaaSを作るため、他社のサービスに課金したり在宅勤務環境の整備に自由に使える。詳細は以下の記事を参照)
- 経費での書籍購入制度(5000円/月まで自由に書籍購入可能)
- 食事補助(チケットレストラン)導入
- 企業型確定拠出年金の導入
6期目に向けて
SocialDogの「弱み」=「伸びしろ」は、「Twitterしか対応していない」「日本でしか使われていない」「個人〜中小企業向け機能しかない」であると思っています。
そこで、6期目は以下に注力していきます。「日本発のPLGなSaaSでの成功事例」になることを目指して世界に挑戦します!
- Twitter 以外のSNS対応
- 海外展開
- 企業向け機能強化
採用を行っています!
「日本発でPLGなSaaSでの海外展開」に一緒に挑戦するメンバーを募集しています。
お気軽にご連絡ください!
関連記事
1期目から4期目までについては、以下の記事をご覧ください。
*1:うちのような決算月が3月の会社は5月末に決算(納税)が終わるので、なんとなくその期が終わった感じがします。