こんにちは、AutoScaleという会社の代表をしている@koniです。
本日は、paild というサービスを使って、経費で簡単に書籍を購入できる仕組みを作ったら、すごく良かったので紹介します。
背景
オフィスがあったときは、業務に必要な書籍は、紙の本を購入してオフィスに置いて、必要な人に読んでもらうようにしていました。 しかし完全在宅勤務となってオフィスがなくなったので、もうそれはできなくなってしまいました。
そこで、Slackで購入依頼を受けて、Amazonで注文して、スタッフの自宅に紙の本を郵送していたのですが、結構面倒でした。買えるのは紙の本に限っていましたし、購入依頼から購入まで早くても数時間〜数日かかっていました。
その結果、「電子書籍で読みたい」「いちいち依頼するくらいなら自分で買うわ!」となってしまって、この制度はあまり使われていませんでした。
メンバーが学び、成長してくことを推進していくため、できるだけ書籍にアクセスしやすい環境を作りたいと思っていました。
そこで、手軽に経費で書籍を購入できる仕組みを作ってみました。
検討した仕組み
以下の方法を検討しました。
- クレジットカード情報を全員で共有
- セキュリティ的にNG
- Amazon アカウントなどを全員で共有
- サービス側の規約的にNG
- Amazon ビジネス
- アカウントを共有して支払い方法を共有できるが、アカウントの共有は規約的にダメそう。
- kindle 本の貸し出し機能
- 日本は未対応。
- 各電子書籍サイトの法人利用サービスを使う
- 対応している本が少なそう。
- 参考: 電子書籍で社内図書は作れるか? - Adwaysエンジニアブログ
- Staple (ステイプル)(経費精算用プリペイドカード)
- ユーザーあたり月額600円かかる
- paild(ペイルド)(経費精算用プリペイドカード)←採用
- バーチャルカードなら無料で発行可能
- Visa が使えるところならどこでも使えるので、汎用性が高い
導入した仕組み
経費精算用のVisa バーチャルカードを発行できるサービス「paild」で各メンバーにVisaバーチャルカードを割り当て、自由に書籍を購入できるようにしました。
ルール
- 事業に必要な書籍を各自で購入できる。
- バーチャルカードはリアル店舗では使えないので、インターネットで購入できる書籍に限る。紙の本も電子書籍もOK。
- インターンや社員など雇用形態に関わらず、各スタッフが月額5000円まで自由に購入できる。上限を超える場合は別途Slackで連絡してもらう。
- 買うだけで「積ん読」になってしまうのは避けたかったので、5000円の上限を設定しました。この閾値は利用状況を見て調整するかもしれません。
流れ
- 最初に経費精算用のVisa バーチャルカードを発行できるサービス「paild」でスタッフ一人ずつのバーチャルカードを作成します。
- paild はプリペイド式なので、導入にあたっての審査はありません。利用する前に銀行振込でチャージしておく必要があります。
- チャージした金額は会社内で共有され、全員が各スタッフの上限ごとに使うことができます。
- 各スタッフは paild を使って、購入したい本を自分のAmazonなどのアカウントで購入します。
- 購入後、Google フォームで作ったフォームに領収書または請求書のPDFをアップロードします。
- Google Workspace (G Suite)を使っているので、名前の入力は不要。
- Google フォームに入力した内容はスプレッドシートでスタッフごと、月ごとに自動的に集計できます。
注意
- Kindle の電子書籍の場合、商品ページ上の購入ボタンをクリックすると、すぐに商品が購入されてしまうので、購入前に支払い方法を変更する必要があることを周知しました。
- 振り込みを行ってからpaild に反映されるのに1営業日はかかるようなので、早めにチャージしたほうが良い。
導入した結果
新しい仕組みによって、以下の問題が解決しました。
- 気軽に(誰かの承認もなく、自分だけで)業務上必要な書籍を購入できるようになった。
- 電子書籍も買えるようになった。
- 購入にあたっての事務作業が減った。
導入後の反応
この仕組みで、導入から3週間で、7割のメンバーが利用し、20冊が購入されました。これまでの書籍購入冊数は、半年間で2-3冊だったので、以前よりもかなり利用されるようになりました。
以下のような感想が寄せられており、好意的に受け止められているようでよかったです。
- 「自由に書籍が購入できるようになって嬉しい」
- いままでも自由だったのですが、自分の操作だけで完結するので、「自由」な感じになりました。
- 「電子書籍が買えて嬉しい」
書籍の購入費用を負担する姿勢が明確にしたことで、エンジニアとの1on1などでより説得力を持って「技術書を積極的に読みましょう」と伝えられるようになりました。
まとめ
以上、「paild を使って簡単に経費で書籍を購入できるようにしたら、すごくよかった」というお話でした。
この方法ならそんなに手間を増やさずに自由に書籍を買って読んでもらうことができます。
AutoScale では今後も、各自が成長していける環境づくりを進めていきます。
AutoScaleは2020年9月にオフィスを廃止し、従業員19名が全員在宅勤務で働いております。 完全在宅勤務、SaaS、スタートアップ、Twitter に興味のある方は、ぜひWantedlyからお気軽にご連絡ください。
参考記事
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